別冊ウルトラマンレックス
□エピソード8.24 浴衣の記憶〜始まり〜
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太陽からの光が熱くなり、季節から夏に変わったのがわかる季節になった。
「暑いですね〜。」
「ですね〜。」
私服姿のカドクラとシマノはメトロポリスに買い出しに出てきた。
買い出しといってもこの日は量が少なく、ほとんどがミズノが料理に使う調味料である。
だから荷物はカドクラが全て持ち、シマノは日傘をさしている。
「やっぱり持ちましょうか?」
「いえいえ、お姫様に持たせるわけには参りません。」
カドクラがわざと敬語を使うと、シマノは少し赤面し、頬を膨らます。
「もう・・・あらあら?」
シマノが傘をさげ、立ち止まった。
どうやらなにか見つけたようだ。
「ツバキ?」
カドクラも一緒に見てみると、ショーウィンドウに浴衣が飾られていた。
「いいなぁ・・・。」
「浴衣、欲しいの?」
カドクラが話かけると、シマノは我にかえったようにカドクラの方を向く。
「いえ////ただ、いいなぁ〜って思っただけです。さぁ参りましょう?」
すこし残念そうにしながら、シマノは傘を上げ歩き出す。
(浴衣か・・・)
カドクラも遅れながら後に続いた。