ガンダムレヴォルーション

□エピソード04 王権国家レリアルド
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『王権国家レリアルド』

その昔、キング・オブ・レリアルドと名乗る男が西欧の端に建国し、瞬く間にその領土を西欧全域から中東まで広げた連合国家である

治安は恐らく世界一よく、人々と安定した生活を送っていた


しかしながら、過去に一度だけ悲惨な事件があった…

いまもなお、レリアルド史上最悪のテロとして語り継がれるあの事件…

−キング・オブ・レリアルド暗殺テロ

時はさかのぼりN.G.99年2月27日

その日は、レリアルド3代目の王子の生誕式典だった

その場には初代レリアルド王とキュリア王女、キング・オブ・レリアルド2世とその妻ベリー
そのほか、レリアルド連合各国の首脳が出席していた
広い広間も今日はまぶしいくらい華やかな人達でいっぱいだった

レリアルド宮殿の中、和やかな雰囲気で式典は進む

酒を交わし、挨拶を交わし、お互いの国同士の交流を交わす

そんな中だった
1人の男が王と王女、2世とその妻、そして新しい王子が座る席に近づいた
そして突然、爆発が起こった

自爆テロ…

爆風は壁を焼き、料理を吹き飛ばし、窓のガラスをすべて割った
広間にいた人達も吹き飛ばされ、無事だった者もパニックになる


王座は爆風でボロボロになり、その周りにはさっきまで王だった者達の肉塊が転がっている

ガードに守られ別室に案内される首脳達
駆けつける警備員
騒ぎを聞いて飛んでくる国民達

転がっている誰のものかわからない肉塊、まだあちこちが燃えている広間…
駆けつけた国民達は焼け焦げた王座を見て号泣した

国民は、やり場のない怒りと悲しみに溺れていた

すぐに噂は広がり宮殿にはほぼすべての国民が集まった

皆、その顔に涙を浮かべ、その場にへたり込んだ

「レリアルドはもう終りだ…」

誰が呟いたときだった

…ぉぎゃ…ぉぎゃぁ
みんながすすり泣いているなか、1つだけ違う声
皆が驚く

焼け焦げた王座のほうから声がする

すぐに何人かの男が駆け寄った

声はもう誰のものかわからない肉塊、いや着ている服から2世だとは思える肉塊の下から聞こえていた

男達は敬意を払いながら、肉塊をどける
すると、肉塊の下からは強化ガラス製の保育器が出てきた

「おぎゃぁ、おぎゃぁ」

そこには元気よく泣く男の子の赤ちゃんがいた

「き、奇跡だ!」
「王子が!王子はご無事だ!」
「奇跡だ!」
「奇跡が起きたんだ!」

広間に響く声

希望の声

皆の表情に笑顔が戻る

「生きてる!」
「奇跡だ!」

伝言ゲームのようにそれは王座から広間に、広間から廊下に、廊下から玄関に、玄関から中庭に、中庭から外にいた国民達に届いた

そして、皆
いっせいに顔をあげ力の限り叫んだ

「「奇跡が起きた!」」


テロから2日後…

死者23人、負傷者67人の大惨事は国際的に報じられた

しかし、人々はテロの悲しみから立ち直り、新しい希望を見つけていた

宮殿の王室

執事であろう初老の男がガラスの保育器に向かって話かける
「いまこそ、あなたが必要ですぞ…ミラクル・オブ・レリアルド様」

保育器の中で、奇跡はまだ眠ったままだった
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