茫然自失

□是空で居て欲しい
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きっとぐっちゃは直ぐに死んじゃうんだろう。
今に消えて無くなるんだと思う。
だから綺麗なんだ。
だから僕はぐっちゃの
永遠にこそ憧れる。
其れは不可能な夢物語。
まるで嘘みたいな。
可哀相な溢れる愛情。
止まらない笑みと涙。





何時もの飲み会。何時もの集まり。
端から見たらきっと普通の若者集団。
そりゃ絶好調の大学生。
自慢するつもりじゃないけれど高学歴。
舐めていたって単位は取れる。
そう。端から見たらありふれた。








そんな

僕らは
保護者が
欠如した
集まりです。



生まれ落ちて
其の膣から
棄てられた
子供です。




僕等は施設で出逢った仲間。
彼処は暖かい場所だった。

優しい先生はヲカマで厳しかったけれどとてもおもしくて大好きだった。


悪戯っこのたつぅ。
やんちゃ坊主のヤス。
一緒について回る僕はゆっけ。


そして


「ねえぐっちゃ!一緒に遊ぼーよ!」




「ゆっけ…ウン。いーよ」
大人みたいに優しく笑うのは、ぐっちゃ。



大好きな仲間。笑顔の絶えない空間。
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