茫然自失

□痣
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嗚呼。酸欠に連れて浮遊は難しい事くらい、小学校で習った筈なのに。
軽はずみな言葉は虚言に等しき。
足枷に成れども傍に君は居ない。
俺は只空虚を見つめて爪をかじる。
強い君は今も前を向いて。
気付けば遠く見えなくなったのは其の光でした。

ねえみやくん俺はいつでも片足が浮遊して定まらないんだ。

目を閉じた。
大事だと嘆く笑顔の君が心拍に合わせて煌めいて、
其れでも鳴らぬ携帯に、瞳孔が再び開く迄、たった数十秒。

着信履歴の一番最初。当に古くなった君の名前を陰りとして映した後に
リダイヤル。
直ぐに繋がる。頭の可笑しい彼の声。
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