東方小説:普
□少しずつ...
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【魔理沙×こーりん】
少しずつ少しずつでいいから
素直にキミに伝えよう
夕暮れ時、暇だからと言って今日もここに来てしまう。
私は鈴が鳴り響くように思いっきりドアを開く。
私のなりの挨拶だ。
キミは、振り向かない。またお前かと背中が語っている。
私はふかふかの椅子に腰掛ける。
この椅子の座り心地は、実にいい。
この前紫にいい椅子をくれって言ったら、外の世界のかいしゃって所のしゃちょーしつって所から、スキマで出してくれた物だ。
キミは椅子の感触を確かめてるあたしを横目に、読書をしている。
読書をしてる時、あたしは絶対チョッカイは掛けない。
キミが不機嫌になるからだ。
夕日に照らされながらページをめくるキミの姿は、とても魅力的だ。
ずれた眼鏡をクイッと上げる姿なんかも、胸をキュンとさせる。
そんな事を考えていると、不意に君と目が合った。
いきなりの事だから私は、つい顔を背けてしまった。
たった一瞬の事なのに、心臓の鼓動が一気に早くなる。
キミは、そんなの気が付かない様子で
「読み終わるのちょっと時間掛かりそうだから、眠りしといていいよ。」
なんて言って来た。
私は、「寝てる間に変な事するんじゃないぜ。」
なんて照れ隠しに言ってやった。