DEATH NOTE
□メロのきもちA
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置いていかれないように
たまにふらりとハウスにやって来ては
気付けばまた居なくなってしまうLを
ずっと 近くで
世界中の犯罪にたった一人で対峙するLを
支えてあげられる存在になりたかったから
絶対的で唯一無二であるLとの対等を
手に入れるには一番になるしかなかったから
一番ですらもLとは対等でないとしても
それがLに一番近いところだから
Lからは甘い香りがする
安心する
Lはここに居るんだと
だからチョコはいらない
チョコがなくてもLを近くに感じられるから
もっとLを感じたくて
シャツを着た胸に顔を埋めた
懐かしい甘い香りが一層濃くなって
いつもいつのまにか居なくなってしまうLが
また居なくなってしまうんじゃないかと不安になって
Lの丸まった、見た目からは意外に感じられる程大きな背中に
手を伸ばして
ぎゅっと抱きしめた
Lが 離れていかないように
これからは
ずっと傍に居たい
Lは応えるみたいに
髪を撫でてくれる
細くて折れそうな冷たい指で
小さい頃してくれたみたいに
「メロはよくがんばりました」
って言う時みたいに
でもがんばっただけじゃ駄目なんだ
一番にならなきゃ駄目なんだ
そうでなきゃ
Lと一緒に居られないんだ
居る意味もないんだ
足手纏いになるくらいなら
もっともっとがんばるから
一緒に居たいから
誰にも負けない一番になって
Lの近くに居られるように
Lがひとりぼっちで戦わなくていいように
Lがさみしくないように
だからもう
置いていかないで
―end.