Dream

□そんなの知らない!
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トビはあたしの事好き?
おお、愛しちょる。
どれくらい?
宇宙ほどに。
ほんと?
嘘なんかつかん。
えへへ、あたしもトビの事誰よりも愛してるよ。
当たり前じゃアホ。










「なーんていう夢を見たのですが…」
「ほぉ……?」


ビキリ、と米神の鳴る音がした。

今トビに話した、あの甘い様なくすぐったい様な気持ち悪い様な会話。
あんなの、現実じゃありえないんです。
大体、トビがあたしに向かって愛してるとか言う時点で終わってるっていうか。

兎にも角にも、あんな甘い会話があたし達の中で成立すること自体あり得ない。
悲しい現実です、はい。

だって之を話しただけで怒るくらいなんだから、よっぽど気に食わなかったのだろう(何がなんてカケラ程もわかりませんが)

何でこんなやつを好きになったのか、今でも不思議。


「で?」
「え?」
「何が言いたいんじゃ」
「いや別に特に何も!」
「早口になっとる。ほんとに嘘つけないタイプじゃの、あんた」


くつくつと喉の奥で笑われて、思わず赤面。

いや別にさ?
言いたい事があるわけではないのですよ。

じゃあ何でこんな夢を見たかって、つまりはあたしはそれを望んでいるという事で…

それを察したらしいトビは、意地悪くニヤニヤとしながらあたしを見続ける。
なんてドSな彼氏なんだろう。


「嘘、ついてないし…」
「………はぁ」


ぐい、と手をひかれる。
バランスを崩してトビの上に乗っかったと思えば、ぎゅっと思い切り抱きしめられた。


「んなっっっ!!!」
「ちょぉ黙れや」
「ばっ、ちょっ、なっ、離せあほトビ!!」
「アホなんはそっちじゃ」


その瞬間、爆発的に早くなる鼓動。
それを悟られたくなくて、力技で彼から離れようとするも当たり前のように腰をガッチリと掴まれていた。

顔はたぶん赤くなっていて、意味もなく暴れていて、けどきっと全部トビには見透かされていて…

――ヤ バ イ …


「うわわわ離せぇええ!!!」
「こんな可愛い奴、誰が離すかボケ」
「変態がいる!!!誰か助けて!!変態があたしを襲おうとしてるよー!!!」
「……襲っちゃる」
「って、え…?」


ドサリ。
押し倒される身体。

ぐいっ
頭上で纏められた両腕。

近づいてくるトビの顔。
存外本気の眼差し。

これはもしかしなくとも、やばいのでは?
なんて今更気づくあたしはトビの言うとおりアホです。


「まっ、待って、ほんと待って!!タイムだってば!!」
「きかん」
「おおおお怒ってるの?!ごめんってば何に怒ってるのかわかんないけどゴメン!!」
「それは反省しとんのか…?」


ううう。
怖い…
トビがガチで怖い。

舌打ちをされて、キツク拘束されていた腕を離される。
恥ずかしいのと怖いのとでよくわかんない思考回路のままでいれば、トビは頭を掻きながら一言、こういった。


「素直にならんからじゃ」
「へ…?、…あ!!」


そういえば。
トビにあたしの心は見透かされていて。

あの夢だって本心だったのに、それを隠してたから怒ってたって事?


「あ、あぅ…」
「愛してるとか、好きじゃとか…言ってほしいなら何度だって言っちゃるし、わしだって言ってほしい…」
「で、でも前言った時は気持ち悪いこと抜かすな!!って…」
「…それとこれとは別じゃ」
「なっ…!!」


そんなの知らない!



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なんて自分勝手な話になってしまったんだ畜生。
名前変換なしですみません。
しかもgdgdでさらにすみません


090504



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