りくえすと

□作戦n
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『どんまーい謙也ー』



只今4時半すぎ。
場所は謙也たちが
部活でお世話になる部屋、
テニス部部室。



「おーん…

なんで俺だけ…」



『暗記教科の小テストで
0点はいたいよねー』



昨日の世界史小テストで、
謙也は0点を取ってしまったらしい。

ペナルティは課題プリント三枚、
提出期限は今日の部活終了時刻。



「プリントぜんぜんわからーん

俺今日
世界史持ってきてへんねん…

どないしよ…」



『がんばれー
ちなみにあたしも
持ってきてないです』



マネージャーのあたしは
ドリンクとタオルを配り終わり、
部員たちもグラウンドに
走りこみに行って
暇になったので、
部室で頑張ってる謙也のところに
遊びに来たのだ。





…嘘、

ほんとは謙也が好きだから。
暇とか、違う。

あたしはマネージャーだから、
ほんとは部員の人たちの
トラックのタイムとか
計ったりしなきゃ
いけないんだけど、
仮病をつかって休んできた。

若干、白石がこわかった。



「終わらんよなー、絶対」



『それは謙也の努力次第


…謙也さ、その椅子と机、
どっから持ってきたの』



「一階の教室から借りてきた」



『ふーん…』



一組しか持ってきてないんだ…

…いや、当たり前なんだけどさ。



『…………』



「…何やねん」



『いや…
立ってんの疲れたなー
と思って』



「…この席を譲れ、て?
勘弁してーや、
俺勉強できひんやん」



『もしくは膝の上、とか』



「……………ん?」



『膝の上、座っていい?』



「………………えっ!」



みるみる顔が紅くなる謙也。
それを見て、はっとした。




あたし、
いっちゃいけないこと、
言った。

あたしたちは只の友達なんだ、


あたしは慌てて
先の発言を否定した。



『ごごごごめん!

なんでもな「え、ええけど!」
……え』



謙也は
いつもより大きい声で言った。

予想外の言葉に、
あたしも顔が熱くなる。



『……え?』



「っべ、
べつにええ言うてんねん!

ほら!
来るなら来いや!」



今日は珍しく
へたれじゃないんだねー

…なーんて

今はそんなこと突っ込む余裕は、
あたしにない。

駄目だ、顔真っ赤…



『…お、おじゃまします』



「ばっちこい!」



『それ若干変態ぽいよ謙也』



あれ、なんでだろう、
突っ込んじゃったよ。




でも結構、
あたしも緊張してたりする。


へたれじゃない謙也を
心の中でほめる。

えらいぞ謙也。



「な、なあ、」



『ん?』



「こ、こういう場合手って、

どこ置いたらええんやろ…」



『……………』



KY謙也!
経験のなさが、
今のセリフから伺える。



残念なやつ…



『…手は、こう』



あたしは謙也の両手を握り、
自分のおなかに持って行った。

もちろんそのあとも、
手は握ったまま。



「お、おん」



『友達って
こんなことしないよねー』



「…おん」










膝の上、
座ってもいい?





(あ、あの、
トイレ行っていいですか?)

(…………)






上の謙也のセリフの真意は、
わかる人にはわかる(^ω^)

下ねたごめんなさい\(^o^)/





ThaNk Y0u F0R ReQueSt!

2009.03.19 Dear:佑芽さま

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