12/17の日記

10:56
本日、天獄日和
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息上がる、躰が火照る、頭の中が

ぐちゃぐちゃ



「何度言ったらわかるんだ、この変態大王イカっ」

変態大王イカと蔑まれた、些か眼差しが鋭いだけの童顔の男の手中には、愛らしい紺のセーラー服が納まっている。
そして、そのセーラー服から逃れる為に暴れていたものの、すでに背が壁に付くまでに追い詰められ、罵詈雑言を叫ぶ、こちらも男である。

「大丈夫。鬼男くんなら絶対可愛いって。なんていうか可愛い通り越していやらし「気持ち悪いんだよっ、うぜぇっ」

被害者は拒絶の思いを込めて爪を伸ばし、それは容易に黒衣の男の頭に刺さる。しかし、無限の時を生きる黒衣の男にそれが通じるわけもなく、痛い酷いと騒がしくさせただけに終わる。

「鬼男くん酷過ぎるよっ、今回はいつも断固拒否な姿勢を崩さない鬼男くんのことを考慮に入れて、鬼男くんに是非とも着てほしいセーラー服輝く第一位を諦めて、第二位のセーラー服に変えたのにっ、絶対似合うのにぃっ」
「…だから何故男に着せるんですか、アンタは」

しかも妙なランキングまで作ってからに、とそこはさすがに飲み込み、必要な問いだけをしっかり伝える。自らは部下で、相手は上司で恐れ多くも神なのだから多少は気を遣って話さなければならない…もう一つ言えば、応えはどうせわかっているから。

「なんだろうが関係ないのっ。セーラー服大好きなんだもんっ」

ほら、見ろ。そうだよ、アンタはいっそ清々しいまでにセーラー服大好き変態野郎だよ。こうなったら、後輩を一人犠牲に立ててや…

「だから大好きな鬼男くんに着てほしいんだっ」










「…大王」
「お願いったらお願いったらお願いっ、着てくれたら絶対仕事するからっ」
「…ちょっとくらいは」
「わかったっ、俺も漢だ。着てくれなくてもいい、今日は当ててみるだけでもいいからっ」
「ですから」
「あぁっムリムリっ、これ以上の譲歩はいくら俺が世界一男前な閻魔大王様でも無理だからっ、とってもお願いっ」
「あのっ、ですから僕っ」
「お願いっ、鬼男く「うるっせぇなぁっ、イカ野郎ォォォっ」





…よし、悪は滅びた。
仕事仕事っ



一生懸命過ぎて勿体無い閻魔様
 

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