08/31の日記
04:44
無血戦争
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少しの戯れに跳ねる心臓は、貴方を求めている証拠なのでしょう。
体に回されていた白く、細く、美しい御腕を解けば、貴方は不満そうで不安そうに僕を見詰める。高鳴る鼓動を気恥ずかしく思いながらも、自らの腕に力を込め、貴方を抱き締め、頭を自らの胸元へと押し付けた。
ねぇ、聞こえていますか?僕の惨めな程に穢らわしい鼓動の。
「、聞こえませんか?足音が」
聞こえていますよね?僕自身には、厭に響いて聞こえていますが、別個体の貴方には届いていないのでしょうか?
そんなはずはありませんよね。貴方の鼓動が僕にはこんなに聞こえているのに、知らん顔とはいけませんよ、神様。
「開戦致します」
貴方の心臓を無血で奪って御覧にいれましょう、そう囁くには至らない愚かしい唇が、誓いの代わりと言わんばかりに、愛おしい神様の額を掠める。
貴方と僕、二人だけの、
「戦争です」
理性?そんな綺麗事要りませんよ
戦争、ですから
惚れた腫れたは勝てば官軍、でしょう?
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