短編部屋

□午前零時の嘘吐き男
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ピッピッ…


時折乱れる無機質な音が耳を刺激する


目の前に横たわる大好きな人



『…ディーノ』


…だから、マフィアなんてならなきゃよかったのに



怪我だらけのディーノが帰ってきて、病院にかけつけて、医師に告げられたことは


危篤状態


死ぬのは時間の問題だろう―と、


でも…冗談だよね


今日は4月1日…エイプリルフールだから


ピッ…ピッ…


少しずつ、脈拍が弱まっていく


冗談だよね?


ピッ……ピッ……


嘘なんだよね?


『う…そ…だよ…ね?』


静寂を切り裂いていた音がやむ



カチッと時計が日付がかわったことを伝えた時だった





010509
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