+徒然小説+

□RUN(おお振り)
1ページ/4ページ

「にーしーうらっ!ファイ、ファイッ」
ちっくしょう・・・暑い。とにかく茹だる様な暑さだ。
こんな天気じゃ、体力が長くもたねえ。
汗が次から次へと滴って、ユニフォームへと流れていくのが判る。
三橋は大丈夫か?さっきかなりヘロってたけど。
乱れてきた息のリズムを整えながらそっと横目で見てみる。
ってか、・・・いねえじゃん!あいつ!!
案の定っていうか、脱落してるとは思わなかったぜ。
「カントクー、三橋が行方不明です〜」
自転車で誘導していたモモカンが、勢いよく振り向いた。
「じゃあ阿部君、探してくれるかな〜ごめんねっ」
「分かりました!見つけ次第後を追います」
「頼んだよ〜日射病かもしれないからね」
遠ざかる掛け声を聞きながら、急に立ち止まらない様に俺はゆっくりスピードを落とす。
息を整えながら、後ろを振り返った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ