+徒然小説+

□昼下がり(幻水3)
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「………押さないでくれ」
「もう少し右に行ってくれよ。お前の逆立った髪が邪魔して見られないぞ」
開け放たれたままの自室のドアから、12小隊の面々はわれ先にと中を覗きこむ。
隣で言い合うエースとジャックを余所に、クィーンは部屋に入ってあらと声を洩らした。
「可愛いねぇ、まるでネコの親子みたい。2人とも丸まって寝ちゃって」
言い合っていたエースを押しのけ、ジャックがクィーンの隣に立った。
「やっぱり、可愛い」
「ホント、いつもの大将の雰囲気とは全然違うなぁ。俺はこっちの大将も好きだな」
「うーーーむ、意外じゃのう…隊長が」
皆それぞれショック(?!)を受けていたが、クィーンは気を利かせて皆に呼びかけた。
「さあ、邪魔しちゃ悪いし、私達は酒場に行こうか」
「おお、それはいい。もう直ぐ夕食だしな」
ただ1人ジャックだけが名残惜しそうに、2・3回ドアを振り返りながら前を行く3人を追ってゆく。
2人が夕食を食べず朝まで眠り続け、エース達はその話を肴に朝まで飲み明かしたのは言うまでもなかった。
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