進撃 小説

□進撃の巨人 19話
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ソルムは腰に下げた信号拳銃を手にすると

銃口を頭上に向けてトリガーを引いた



解き放たれた信号弾はまっすぐ空を駆けあがり闇の中へと吸い込まれていった


一瞬の静寂のち上空にて『白星』が破裂した

閃光により光で満たされた世界の中では十メートルほど前方で騎兵が倒れていた



「どうやら亡くなられたようですね」


「あぁ」


応じるアンヘルの表情は硬い、彼らの死を悼とんでいる余裕はなかった

否応なく緊張感が高まっていく



「見てください。誰かいます」


ゼノフィンが顎を使って前方を指し示した


そちらへ目をやると兵の遺骸から五十メートルほど先に

十名ほどの馬に乗った集団が確認できる




「敵なのか?」


彼らは短刀を手にしており、何名かは銃を所持していた

兵は彼らの凶弾に倒れたのだろう


「大丈夫ですかね?」


心細いのかコリーナはアンヘルとヴェアルに身を寄せてくると不安そうな目で見つめた

アンヘルとヴェアルはお互いに見合っていった




「プロに任せておけば何とかなる」


『私も守るしね』


「人数的には圧倒的に不利なんですけどね」




ゼノフォンは水を差すとせっせと小瓶をかき集めている



「こんな時に何してんだよ」

「こんな時だから必要な作業なんです」



ゼノフォンは真顔で告げた

しかしアンヘルには彼の意図が理解できなかったが

身体に悪影響を及ぼす薬品ということは分かった




『心配してるとこ悪いけど、応援が来る頃にはけりがついてる

 自力で抜けるしかないみたいだよ』



ヴェアルはそう言ったがそう簡単には切り替わらない

戦闘のない日常を送っていたならなおのことで






『巨人より人間のほうが恐ろしい
            私の言ったとおりだったでしょう?』 






「強行突破する、体を低くして揺れに備えろ!!」





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