進撃 小説
□進撃22話
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ヴェアルによって工場都市にたどりついた
それは日をまたぐほどの遅れではなかったが、予定から数時間遅れての到着だった
建設途中である工場都市はぽつぽつと街灯がともっているだけで闇の支配下に置かれており
それは見学どころか出歩くことすら困難であった。
唐突のことに驚きつつもあたりを見回すが
全容が漠然としないせいか、工場都市の印象は皆無に等しかった
日中ならば感想の一つや二つ口にしただろうが今のアンヘルたちにはここにたどり着いたことの安心感だけだった
工場都市に行く前にあれこれ考えていたが
到着した今、すっぽりと抜け落ちたかのように街の様子や工場の設備にたいする興味が失せていった
今ほしいのは安心して寝れる寝床であり、それ以外は何もいらないと思うほど疲労困憊していた
実際に、到着後向かったのは宿泊施設に向かった
ただ一つ強く印象に残ったものがある
それは水音である。雨音でも川のせせらぎでもない近くに滝があるのだろう
膨大な量の水が轟々と流れる様が目に浮かぶ
室内にいても聞き取れるほど豊富な水量を誇っているのは確実である
シンガシナ区を潤す水源の一つだろう、そう考えると感慨深くなる
「(....)」
『久しぶりだったからかな...
(少し疲れた気がする)』
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