読み物 小説満杯

□和泉野しずくさん頂 高杉夢
2ページ/6ページ




「オイ、ファイ。」

「…なに。」

意味も無く、名前を呼んでみる。

ファイは小学校から一緒で、ずっと見てるが好きとも嫌いとも思ったことが無かった。
それが急に告白なんかしてきやがるもんだから、気にならない訳がねぇ。

気付いたら、好きだった。

「別に。」

「なんだよ…変なの。」

なんとでも言え。
まともに話も出来なくなるくらい照れてるなんて、死んでも言えねぇ。
こうやって呼んでみたくなるときがあるなんて、どうあっても言えるはずがねぇ。

「ねー晋助…」

「…なんだよ。」

少し強めの風が、屋上に吹いた。
そろそろ昼休みも終わる。




.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ