読み物 小説満杯
□和泉野しずくさん頂 高杉夢
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「オイ、ファイ。」
「…なに。」
意味も無く、名前を呼んでみる。
ファイは小学校から一緒で、ずっと見てるが好きとも嫌いとも思ったことが無かった。
それが急に告白なんかしてきやがるもんだから、気にならない訳がねぇ。
気付いたら、好きだった。
「別に。」
「なんだよ…変なの。」
なんとでも言え。
まともに話も出来なくなるくらい照れてるなんて、死んでも言えねぇ。
こうやって呼んでみたくなるときがあるなんて、どうあっても言えるはずがねぇ。
「ねー晋助…」
「…なんだよ。」
少し強めの風が、屋上に吹いた。
そろそろ昼休みも終わる。
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