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□紅蓮に燃えるは紅い月
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「時の神の羽一枚、不老樹の根が少々、鸛の唾液酒適量に、………」
僕の目の前にいる女が、分厚い本を眺めながら次々と奇怪な物らしき単語を読み上げる。
碧色に染まる美しいその髪を
結ばれたツインテールを弄ぶのが癖なのだろうか、
先程からクルクルと本を持っていない方の手で揺らしている。
「ラミアの鱗5枚、此処までは良いわねぇ、それと…」
「まだ?まだあるの?!」
「しょうがないでしょ、第一人間用だなんて滅多に作ることないんだから尚更。確実なデータはこの本くらいにしか乗ってないんだから。」
「はぁ…」
「それより問題があるの…
この最後の材料の…………」
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