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□Yellow
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朝日が遠方の山から現れ、次第に辺りは光に包まれる。



新緑の草の上に咲いた色鮮やかな花々が、太陽の陽を浴びて一層明るく見える。



今朝降りたと思われる朝露が、ぽとりと一粒、花弁の上を零れ落ちた。


その透明な雫はそのまま真っ直ぐに下へ落ち、同じ様に朝露がついた新緑の草の中に消えた。



黄と黒の模様の蜜蜂が一匹ゆっくりと飛んできて、やがて花の上に止まった。


蜜蜂は花の蜜を吸うと、ふわりと浮かんで自身の巣箱に飛んでいった。



その巣箱から少し離れた場所にある別の巣箱の近くで、エリンは蜜蜂達を眺めていた。


「……エリン、どうした?」


そう問われて、エリンは顔を横に向けた。

エリンが見上げると、先程エリンに声をかけたイアルと目が合った。


エリンは小さく笑うと、顔を戻し、再び蜜蜂達を見つめた。


「イアルさん、蜜蜂は何で、あんなに動きまわれるのでしょうか?

毎日毎日、花の蜜を求めて飛び、巣箱へ戻り、また花の蜜を求めて飛んで…。」


呟くようにエリンが言うと、イアルは少し困ったように笑い、エリンから目を外して自身も蜜蜂達を見た。


「何でだろうな…。

…それはたとえ蜂飼いでも、分からないかもしれないな。」


エリンは少し顔を動かして、自身より高い所にあるイアルの顔を見つめた。

イアルは少しエリンを見ると、再び口を開いた。


「……しかし、生きる為には動かなければいけない。

明日を生きる為に、蜜を求めて飛ぶのではないのか?」


それを聞いてエリンは小さく微笑むと、「そうですね」と呟いた。

そしてふと思いついたようにイアルに言った。


「あ、イアルさん。

今日の朝餉は、ファコと蜂蜜にしましょうか。」

唐突にそう言われてイアルは一瞬眉を上げたが、すぐに目を細めると、小さく頷いた。


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