過去のお礼小説

□寒さのもとは窓の外
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窓から差し込む輝く朝日が、薄暗い部屋を照らし出す。


毛布から顔を出したエリンは、その光に眩しげに目を細めた。

暫く間を置き、エリンは寝台から静かに起き上がると、その寒さに体を震わせた。


隣で眠るイアルが寒くないよう毛布を整えると、エリンはそっと寝台から下り、傍にあった自身の外套を羽織った。


エリンが息を吐くたび、その息が白く染まり、消えていく。

普段よりさらに冷え込んだ室内に疑問を覚えたエリンは何気無く窓の外を見、その光景に目を丸くした。


窓の外の景色にすっかり見惚れていたエリンは、床の板が微かに軋む、イアルが寝台から下りた音で我に返った。


「雪か…。」

エリンの横にきたイアルは、窓の外を見て微かに眉を上げ、呟くようにそう言った。

イアルも、窓の外に広がる純白の景色に少し驚いているようだ。


「…綺麗だが、もう少し寝ていないか?」

イアルがそう言うと、小さく苦笑し、エリンはイアルを見た。

「…はい。まだ、普段起きる時刻まで時間はありますし、

……寒いですしね。」

イアルは苦笑しながら頷いた。


それから二人は、普段起きる時刻になり、寒さに震えながらも外へ出るまで、

寝台の暖かい毛布の中で身を寄せ合っていた。


 寒さのもとは窓の外
  (外の寒さはこの温もりで消えるから)



→アトガキ

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