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□空を包む太陽の光
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イアルが左手を伸ばしてその髪に触れると、柔らかな髪が指の間を零れ落ちた。

手を静かに戻すと、イアルはエリンの隣に腰を下ろした。

そのことにリランが怒る様子は無く、ただ静かに目を瞑って眠っている。

イアルは横を向き、こちらに顔を向けて眠っているエリンを見つめた。

夢を見ているのか、エリンの顔には小さな笑みが浮かんでいた。


今頃エリンは、何の夢を見ているのだろうか。


イアルはそんなことを考えながら、エリンから目を離して空を見上げた。

雲一つ無い空は、太陽の光を広げたかのような、暖かい青だった。


自身の人生も、かつては灰色の空のようなものだった。

幼い頃に家族と縁を切り、ただ真王の楯として、死と隣り合わせの毎日を淡々とすごしてきた。

今のこの暖かで幸せな日々を青空と表現するとしたら、その日々を与えてくれたエリンは、太陽と表すのだろうか。


(………俺がこんなことを考えているとカイルが知ったら、どう思うんだろうな。)

イアルは懐かしいかつての同僚の顔を思い浮かべ、ふっと静かに笑った。

そして静かに目を瞑り、暖かな太陽の光を受けながら息を吸った。


  空を包む太陽の光
   (俺はその光を消さぬよう、守っていくと誓おう)


→オマケ
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