腐夢(短編)
□山本クンと雲雀クンの微妙なカンケイ
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並盛中学風紀委員長、雲雀恭弥は最強である。
普通の中学生なら泣いて喜ぶこの3連休並盛中学の自室と言うべき応接室で風紀委員の仕事である見回りを終わし群れているモノ達を噛み殺し職務をこなしていた。
或る程度の職務を終えた雲雀はいま屋上に来ている。
今日は天気が良く暖かで気分が良い。青い空を眺めた後フェンス越しから下をのぞいた。
眼下では野球部が練習をしているのが見える。
部員一人一人を目で追い最後に草食動物といつも群れている山本武に目をやる。
「山本・・・武・・・」
どうしても彼を見ていると目が離せなくなってしまうのだ。自身のその行動にイライラしており最近は彼を見ないようにしていた。
「ばからしい・・・」
雲雀はそう吐き捨て目をそらそうとした時に一瞬だけだが目があったような気がしたが気にせず自身のお気に入りの場所へと足を運んだ。
コンクリートの床にごろりと寝転がり眼をつむる。暖かい日差しが眠気を誘いまどろんでいるとそのそばに下から白球が飛んできた。
「??」
身体を起こしその球を手に取る。すると下から大きな声が聴こえて来た。
「おーいヒバリ!!悪いのなー。その球下に投げて欲しいのなー?」
「山本・・・武・・・」
苦々しく呟いた雲雀は無視を決め込もうとくるりと踵を返す。
「えっ!!おいヒバリ―!!」
慌てたように再度声を掛けてくる山本にヒバリは答えを返す。
「僕は忙しい。取りに来るんだね。」
そう答えた雲雀は眠気が覚めた事と山本武との会話に苛立ちを覚えその場を足早に後にする。
応接室に戻ったヒバリはイラつきを押さえるように溜め息を吐きだした。
「全く・・・。イヤになる・・・」
応接室の椅子に深く腰を下ろし足を組み天井を見上げる。
その時後ろの窓からまたも白球が応接室に飛び込んできたのだ。
「わりわりーヒバリー!!その球後で取り行くからさーそこにおいといてくれなー!!」
能天気な声がさらにイラつきを加速させる。
「・・・・。」
無言のヒバリは鋭い視線を山本に向け窓から飛び降りる。
「いい加減にしてくれないかな?」
「やべっ・・・」
山本の声と同時にトンファーを構えた雲雀は問答無用と言うように向かって行く。
「ははっ・・・相変わらずなのなー。」
野球のバットでそれを受け止めながら答える山本に更に攻撃を加える。
「っと・・・。お前ら今日の練習終わりなー!!」
ヒバリの攻撃をかわしながら野球部員に声を掛ける山本は笑いながらヒバリに再度声を掛ける。
「っと・・・あぶね・・・。なあヒバリ?」
「うるさいよ。」
「ははっ・・・。オレに向かってくるヒバリの眼・・・」
「?眼…が・・・ナニ?」
「すっげー色っぽいのなー。そそられる・・・」
「なに・・・言ってるの?やっぱり噛み殺されたいんだ・・・」
そう答えたヒバリは更に攻撃を仕掛ける。