腐夢
□ボンゴレのエースクンとヴァリアーの天才クン
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応接室のソファーにちょこんと座っているベルは暇らしくベル特製のナイフをいじっている。
それを見ていた雲雀はあからさまに大きな溜め息を漏らす。
それに気づいたベルは
「なに?」
と首を傾げ雲雀をみつめた。
「ねぇ。それ・・・」
「んっ?これ?これ王子のナイフ・・・これがどうかした?」
何かおかしいのだろうか?・・・訝しげにそれを見つめる。
「・・・。風紀違反なんだけど・・・。それに・・・」
と付け加え雲雀専用の椅子から立ち上がりおもむろにベルの前髪に手を添える。
「!!」
雲雀の突然の行動を予想できずにベルは固まり手に持っていたナイフを床に落としてしまった。
「?」
その様子に目を見開き驚いている雲雀。
「べつに・・・何もする気はないよ。その前髪も風紀違反って言おうとしただけなんだけど・・・。」
そう答え下に落ちたナイフを手に取る。
「これ・・・没収させてもらうよ。」
机の引き出しの中へしまう。先刻固まっていたベルはもう元に戻っていた。
「ししっ・・・。風紀とか王子かんけーないし?」
笑いながら答えるベルに雲雀は再びトンファーをむける。
「きみ・・・本当に噛み殺されたい?」
そんな言葉は気にもとめないベル。
「ねぇ・・・。聞いてるの?」
雲雀の問いかけにベルは再びしししっと笑い
「つか・・・聞いてないし。それに王子風紀とか関係ないし?」
いたずらっ子のように答える。
はあ・・・。
再び大きな溜め息をつく雲雀。
「・・・。もう勝手にしなよ。とにかくここにいる間はそのナイフ出さないでくれる?間違って投げられでもしたら部屋が汚れる。」
「ししっ・・・。間違ってみよっかなー?」
「帰る?」
即座に聞いてくる雲雀にベルは
「そんな事すっかよ。せっかく日本にいる間の暇つぶし見つけたのに勿体ないじゃん?」
と返事をする。
「とにかく!きみは僕の仕事の邪魔しないでよ。分かったね。」
そう答えた雲雀は自分のデスクに戻り書類に目を通しはじめた。
それから数十分。
「ねえ・・・エースくんエースくん」
「・・・・・。」
「エースくん」
「・・・・・。」
「エ・・「うるさいな。何か用?」
「王子・・・すっっげぇ!!ヒマ持て余してんですけど?」
「・・・。じゃあ帰りなよ。さよなら。」
有無を言わせない雲雀にベルは苦笑する。
「って・・・?ひでぇ。一応王子お客だぜ?」
「・・・。勝手に来た人は客とは言わないんじゃない?そんなの常識だよ。」
「・・・?じゃあ!遊びにきてやった?」
どうだ!とでも言うように答えるベル。
「ワオ!それも違うね。」
「・・・・。と・に・か・く!!王子ヒマッ!!ヒマヒマヒマひ・・「うるさいよ。」
「・・・・」
「じゃあ。僕にお茶でも淹れてよ。そこの奥に紅茶があるからね。」
「え?ナンデ?客にお茶淹れさせんの?ふつう逆じゃん?」
ベルはナンカ可笑しくね?などと文句を言っている。
「どうするの?淹れる?それとも今すぐ帰る?僕はどっちでもいいんだけど?」
これ以上言いあいをしても同じ会話が繰り返されるだけだと悟ったベルはしぶしぶ立ち上がり応接室の小さなキッチンへ向かった。