腐夢

□ボンゴレのエースクンとヴァリアーの天才クン
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今日も天才クンが応接室に遊びに来ています。

「ねえ。きみ・・・。いつもココに何しに来る訳?」

雲雀は溜め息をつきながらベルを睨む。

「なんで?別にエース君に逢いに来たんだけど?それにきょーやの淹れる紅茶がうまいし?」

ベルが初めてここにきてから、早二週間。毎日毎日飽きもせずに並盛中の応接室に通って来ている。

「しかも・・・。なんで僕の名前呼び捨てにするの?呼んでいいって言ってないんだけど?」

「ししっ・・・。だってエースクンて呼ぶのめんどいじゃん?ダメ?」

雲雀の淹れた紅茶を飲みながらどうして怒っているのかわからないと言うように首を傾げる。

「まあ。いいよ。きみには何を言っても無駄だからね。」

雲雀がそう答えるとベルは笑い

「じゃー決まり。きょーやも王子の事名前で呼べよ?呼ばなかったらサボテンにするから。」

「いやだ。」

即答で返す雲雀を呆気にとられ見つめる。

「うわ〜・・・即答・・・。」

ベルは肩をすくめもう一度笑う。

「ま?いっか?」

んーっと大きく伸びをしソファーに座りなおす。

「で。?きみ。今日は何しにきた訳?」

「ん?・・・あー?うん・・・。」

ベルの表情が急激に曇った。何か言いにくいことでもあるのだろうか?

「??」

雲雀は不思議そうな顔をベルに向ける。

「・・・・。」

ベルは言葉を詰まらせ急に話題を変えてしまった。

「そだ!アイツらは?」

「草食動物たち・・・?。また群れてるんじゃない? 沢田綱吉が居残りしているから教室にいるんじゃないの?」

雲雀は急に話を変えたベルを訝しげに見つめそう答えた。

「ししっ・・・王子ちょっとからかってくっから。」

ベルは雲雀に「王子帰ってくるまで待ってないとサボテン。」そう言い残して応接室を出ていく。

「ちょっ・・・話・・・ま・・・」

雲雀が声を掛けるがベルは行ってしまった。

「もう・・・何なの?」

雲雀は訳がわからないといったようにデスクに戻り書類に眼をやる。

「ホントに・・・。なんで僕が待ってなくちゃいけないの?」

ぽつりと呟き本日2度目の溜め息をつく。ベルが応接室に来るようになってから溜め息の回数が大分増えている。それに・・・。今までココに人が来るのはとてもイヤだったのにそれがイヤではなくなりつつある。もちろんベル限定ではあるが・・・。なにか・・・自分でもベルがココに来るのを待っているような感情さえ出てきているような気がする。
それに・・・何よりも2人でいるときはとても居心地がいい。

今までは人を待つなんてこと絶対にしないのに今日に限っては待つ。という行為をしようと思っている。

この理解できない変な感情が雲雀にイラつきを覚えさせ、溜め息を増やす原因となっている。

「だれか・・・。噛み殺せばスッキリするかもしれない・・・。」

雲雀は呟き窓から外に飛び降り校庭の奥に消えていった。
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