腐夢

□ボンゴレのエースクンとヴァリアーの天才クン(すぅ様リク)
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ある日の夕方並盛中の応接室から現在住んでいる日本のホテルの自室に帰ってきたベルは溜め息を吐きだした。



最近自身の恋人である(たぶん・・・)雲雀恭弥の態度がよそよそしいのだ・・・。



「って・・・オレ王子じゃん!!なに落ち込んでんだっつの・・・あーあ・・・ったく・・・」



昨日も並盛中の応接室で彼の傍に寄ろうとしたのだがさりげなーく避けられてしまった・・・。




「王子きょーやにナニかしたっけ?」



そう呟き思いを巡らせる。が



「ししっ・・・ありすぎてワカンネー・・・つかいつもと一緒だし?」



そう。自分はいつもの通りに恭弥に接していたはずなのだ・・・。それは恭弥も了承しており避けられるような事はしていない・・・。



「いつも通りに抱きしめてキスして・・・」



ぶつぶつと独り言を言いながらベッドにドサリと横になる。



「それがイヤだったんじゃないのかい?ベル。」



自身の頭の上でふよふよと浮いている子供の声が聴こえてきた。



「マーモン・・・つか勝手に王子の部屋入るなよ・・・サボテンになりたいワケ?」



「ムムッ・・・別になりたくないよ。それより君こそめずらしい・・・なに悩んでるのさ。」



マーモンの言葉にベルは言葉を返す。



「・・・べつに・・・なんでもねぇし・・・」



「ふぅん・・・ぼくにはそうは見えないケド・・・それならイイよ。」



意味ありげに返事を返してくるマーモンにベルは言葉を返す。



「なに?なんかしてくれんの?」



「・・・・。報酬くれるんならね・・・ぼくは愛とか恋とかは興味ないけどね。で何悩んでんのさ。」



「報酬5円チョコ7箱でど?」



「・・・・。相変わらずケチだね。ベル・・・」



「ししっ・・・ラッキー7つう事で・・・てか王子から報酬とるなっつの・・・」



「・・・・・。」



マーモンは何も答えずベルの膝の上に座る。



「ししっ・・・交渉成立!!」



「特別だよ・・・。でベルは何考えてたの?」



「んー?きょーやのコトに決まってんじゃん」



「それで?ベルは雲の守護者に無理やりキスしたと・・・・?」



溜め息を吐きながら返事をするマーモン。



「ちがうっつーの。無理やりじゃねぇし?何時もの事だし?」



「じゃあ問題ないじゃないか・・・」



そう言ったマーモンは訝しそうにベルに視線を向ける。



「だよなぁ・・・。でもさぁ・・・きょーや王子の事なんかさりげなく避けてるんだよなぁ・・・。」



「ムッ・・どうして避けられてるのかが分からないと・・・」



「そ。ワケわかんねーし?きょーやが何考えてんのかわかんね・・・」



そう答えたベルは深い溜め息を吐きだす。それをみたマーモンはふうと一つ溜め息を吐きだしベルの顔を見つめる。いつもはニヒルに構え何にも動じないベルが切なそうな顔をしている。前髪の掛っている瞳は淋しそうに揺れていた。そんなベルを見たのは初めてで驚いた。



そんなマーモンを気にせずにベルが声を漏らす・・・。



「も少ししたら向こうに帰らなくちゃなんねーし?そしたらきょーやにだってそう簡単にあえねーし・・・。きょーや王子の事どう思ってるんだろってさ。ししっ・・・らしくねー。」



ふうとまた溜め息を吐きだし力なく笑うベル。



「らしくないね。ベル・・・。直接本人に訊けばいいんじゃないの?」



そう答えるマーモンにベルは笑う。



「しししっ・・・だから今日またきょーやの所に行って来たんだって・・・。でもさ。待てど暮らせどきょーや帰ってこねーし?」



「・・・・。忙しかったんじゃないの?」



そうマーモンに問われ考え込むベルは首を横に傾げ考える素振りを見せる。



「・・・。いや違うね。だってきょーや王子来るの分かってるからいつも王子の事まってっし・・・。いつも絶対居る時間だし?」



「・・・・ふうん。」



いつもと変わらず抑揚のない声で返事をしたマーモンはふよふよとベルの膝から浮き上がりベルを見つめる。



「??」


不思議そうに見つめるベルにマーモンは声を掛ける。



「ベルは雲の守護者の本当の気持ちが知りたいって事だね・・・。」



「ししっ・・・分かってんじゃん?」



「5円チョコとレモネード用意しておいてね。用意出来たらこれと交換してあげるよ。」



そういったマーモンは綺麗な水色の小瓶を見せる。



「ししっ・・・ナニそれ。王子にくれんの?」



「・・・・。いま交換って言ったはずだよ?これは僕特製の自白剤さ。これを雲の守護者に飲ませれば彼の本心がわかるよ。どうする?」


そう答えるマーモンにベルは口角を吊り上げる。



「うしっ!!交渉成立。」



そう答えたベルの顔は生き生きとしていた。
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