◇地下牢教室◇

□『LAT.43°N』
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 最近、セブルスの様子がおかしい…。

 急に香水を付けたり、流行りのセーターを着る様になったり、休日になると…いそいそと一人で出掛けてゆく…。

 僕は何だか不安でたまらなくなっていた。

 お陰でこの二週間…授業以外では全然セブルスに会っていない…

セブルスは休日に、一体どこへ行ってるんだろう…。

 一緒に行くあの約束を果たしてセブルスは覚えているのだろうか…。


毎日、セブルスの一挙一動に注目しながら、不安感を募らせる毎日に僕は少々疲れてしまっていた。

 周囲には秘密の二人の関係。

 誰にも相談出来ずに僕は、一人で悩むしかなかった。

 今日はセブルスに逢えるのだろうか…。

 いきなり逢いに行ったら迷惑だろうか…。

でも、こんな気持ちを抱えて毎日悶々とするのならば…いっそ本人に逢って問いただした方が楽かもしれない…。

 そんな事を考えながら、僕は知らない間にセブルスの自室へと足が向いていた…。

迷いながらも、僕がノックをしようとした瞬間、甘えた様な女性の声が聞こえてきた。

『素敵ですね…先生…良く似合ってる…一生懸命選んだ甲斐があったわ』

 すると、すぐにセブルスの低いバリトンボイスが返ってきた。

『感謝する…ミス=パーキンソン…我輩もこのデザインは中々宜しいのではないかと思う…』


『……何で…先生…』

 先生の寮の女生徒との、秘密めいた会話に、僕の鼓動は一気に高まった…。

 今まで僕に逢わなかったのは…パンジーと逢っていたからなの?

 僕の心の奥底には、ありえない位の猜疑心が芽生えた…。         




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