◇小説◇
□Kiss you
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「…ルキア」
「何だ」
机に向かっていた一護は、ベッドに腰掛けるルキアに、何気なく呼び掛けた。
彼女は、読んでいた本から視線は外さないまま、無機質に答えた。
構わず一護は続ける。
「…俺、今なんか、無性に…」
「…無性に?」
途中で言葉を切った一護に、先を促すようにルキアが問う。
すると一護は少し躊躇った後。
「キスしてぇ」
「――!!??」
そこで初めてルキアは本から顔を上げ、一護の方を見る。
その顔は真っ赤になっていた。
「何を言っているのだ、貴様はっ///!!」
必死の様子で怒鳴るルキア。
思いがけない可愛い反応に、一護の頬はゆるまずにはいられなかった。
それでもなんとか平静を装って尋ねる。
「ダメか?」
自分を真っすぐに見つめてくる一護の瞳に、不覚にもルキアは動揺した。
やや間を空けて。
「…好きにしろ」
ぽつりと小さく呟いた。そんな彼女を見て一護は僅かに笑みを漏らした。
そして、一つ息を吐くと、ベッドに歩み寄る。
ルキアの隣に腰を下ろすと、彼女が少し身体を強張らせるような気配を感じた。
……やがて。