◇キリリク小説2◇
□Impish
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「や、一護くん」
浮竹が一護の病室に訪れたのは、藍染の反乱から五日が経った頃だった。
ベッドに横になっていた一護は目を瞬かせて、白髪の男を見つめた。
「浮竹さん…」
「あぁ、そのままで構わないよ」
身体を起こそうとした一護を、浮竹は制した。
「まだ絶対安静、なんだろう?」
「……はあ、卯ノ花さん、でしたっけ?あのヒトが…」
「ははは、…まあ卯ノ花隊長に言われた通り、しっかり身体を休めるといい」
「はい、…けど、さすがにずっとこの部屋にカンヅメ状態なのは、気が滅入るっていうか」
元来、じっとしていられる性分ではない一護。
こんな状況を強いられては、辟易するしかない。
そして何より。
他の現世組や…戦線で怪我をした者たち…それに、ルキア。
彼らが今どうしているか、一護はよく知らないから、気になっていた。
「……浮竹さん」
「何だい?」
「ルキア、どうしてますか?」
浮竹は一瞬きょとんとしたが。
「朽木はもてるなあ」
ははは、と明るく笑った。
「そっ、そういうわけじゃ…」
慌てふためく一護に、浮竹は微笑して。
「朽木なら元気だよ。ただ、やはり……」