◇キリリク小説2◇
□Keep off nay
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俺の名はコン。
King
Of
NewYork
略してK・O・Nだ。
嘘だ。
そんな俺だが、現在、ある人に片思い中だったりする。
「じゃあ大人しくしてろよ!」
死覇装姿の一護がそう言い置いて、窓から出ていった。
「へいへーい」
俺は走り去る奴の後ろ姿に、ぞんざいに手を振った。
室内に残されたのは、一護の身体に入った俺と、姐さん。
姐さんは、義骸の連結が良くないとかで、虚退治は一護一人に任せ、部屋で待機という形をとっていた。
「姐さん、大丈夫ッスか?」
「案ずるな。何、今、浦原に内魄固定剤を仕入れて貰っている。しばらくの辛抱だ」
「そっすか…」
俺の片思いの相手――姐さんには、どうやら想い人がいるらしい。
いるらしい、ていうか……いる、んだな。
誰だなんて野暮な質問。
一護だ。
姐さんは一護に恋してんだ。
そして、一護も姐さんに恋してんだ。
ただ、お互いの気持ちは知らないから、恋人同士ってわけじゃない。
でもハタから見てりゃ、二人が相手をどう思ってんのか、なーんて、手に取るようにわかっちまう。