青学

□愛さずにはいられない
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新緑眩しい5月。

跡部は自分の席に座って、何やらメモらしきものを書いていた。
そこへ、毎度の如く忍足がやって来る。

「あ・と・べvV」

「………」

「…無視かい…」

空気の様に扱われた忍足は、自分に注目させようと、ここが教室だという事を踏まえた上で、跡部の耳元でワザとこう囁いた。

「チューしてエエ?」

「断る」

あっさり拒否。
人として扱ってもらえたかどうか定かではないが、取り敢えずは『空気』から格上げ。

「…何書いとるん?見てエエ?」

「テメェには関係無「…何や…ただリストアップしとるだけやん…。何で隠し…」



跡部が隠そうとするより僅かに早く、忍足は跡部の手元から紙を取り上げた。

…が、忍足は見てしまった。
そのリストアップされた紙に『海堂へのプレゼント』と書かれているのを。


「…跡部…」

「だからテメェには関係無ぇって言っただろ」

忍足から紙を取り上げる跡部の表情には、罪悪感を感じさせるものは無かった。

「(・д・;)景ちゃん…ホンマに…?」

「だったらどうする?」

忍足の心情を知ってか知らずか、いつもの不敵な笑みを浮かべて忍足を見上げる。

「嘘や…跡部は俺だけのモンや…。跡部のアホ…オタンコナス……跡部のかーちゃんデーベソ!」

昭和の香り漂う悪口を跡部に浴びせた忍足は、涙ながらに教室を出て行った。
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