氷帝

□プレゼント。U
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「景ちゃんvV今日、何の日か分かる?」

「15日」

「そうやない。その15日は何の日か聞いてんねん」

「…テメェの家にはカレンダーも無えのかよ」




跡部と忍足。

朝からずっとこの調子である。

ちなみに忍足は今、跡部の部屋にいる。
ひたすら粘り続ける忍足は暇なのか何なのか分からない。




「今日は俺の誕生日やろ?」

「…ああ…」

「プレゼント欲しいねんけど」

「プラダか?グッチか?」


窓際に寄り掛かり、適当に受け答えをする跡部。
そんな跡部にもめげず、彼の隣で忍足は続けた。


「ちゃう。俺、欲しいモンあんねん」


跡部に顔を向ける。
跡部も忍足と視線を合わせる。


「何だよ」

「コレ」



忍足が右手を伸ばし、指先で跡部の唇をなぞる。


「もっぺん、してくれへん?」

「………」

「したら、他は何もいらんわ」


跡部の唇に指を這わせたまま、静かに笑みを浮かべる忍足。

跡部は、黙っている。



「まぁ…俺からしてもエエねんけどな…」


今度は、その右手で跡部の頭を優しく撫でる。



「………」

「誕生日くらい、ワガママ言うたってエエやろ?」

「………」

「アカンか?」



跡部がフッと笑う。

自分の頭を撫でている忍足の右手を、自分の右手で捕える。






「忍足。…ちゃんと受け取れよ?」








そして跡部は、忍足の唇に、キスをした。





†END†
2006.10.15

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