氷帝
□2010年、2月。
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忍「俺、アレやってみたいねん」
俺「…アン?」
宍「アレって何だよ?」
放課後の教室。
気付くと宍戸と忍足が俺の席に来ていた。
そして、そのまま会話を始め、黙って聞きながら帰り支度をしていたら、さっきの話が出てきた。
「アレ言うたらアレやろ」
「アレだけじゃ分かんねーよ」
「アレ言うたらアレに決まっとるやろ?ホラ、何やったっけ……アレや…」
「……何かヒントみてぇなモンねえのかよ?」
宍戸が忍足に聞くが、忍足もハッキリとは思い出せないようで、必死に思い出そうとしている。
「ああもう…。昨日までは覚えとったんやで?…何やったかな…」
さっきから『アレ』ばかりで、ヒントもなく、宍戸にとってはもはや難題と化している。
「なぁ…何かねえのか?そもそもソレって物か?人の名前か?」
「物や物。ホラ、最近よおテレビでも見るやん。こう、チョコがドーンってなってて、上からチョコがダーッなってて、そこにイチゴとかシュッってやって…」
「ああ…アレな。そういや、よく見るよな」
「せやろ?名前、何やったっけ?」
「さぁ…」
…やたら擬音が多いのは関西だからか?
関西は関係ねえのか?
それより、忍足が言いてえのは…
もしかして…
「確か…何とかマウンテン言うたような…」
「ああ、分かる!そういうカンジの名前だよな?」
「…………」
†