氷帝

□memory.
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だが、スグに普段の表情に戻った。
そして、俺にこう言った。

『…こんな事も有る思てな…用意してきてん…』
『…アン?』

忍足が鞄から出した物は、小さな包みだったが、言われなくても大体の想像はついた。確信に近い。

『チョコやで…景ちゃん…』

案の定、忍足はそう言った。

『受け取ってくれるんやろ…?』
『…誰がそんなモン受け取『受け取ってくれへんのやったら、俺死ぬで…』

いきなり物騒な事を忍足は言った。
最初は俺も驚いたが、アイツはそう簡単には死ぬ訳ねぇという確信を持ってるから、こう言ってやった。


『お前、本当に死ねるのか?』

…ってな。
そしたらやっぱり、スグには『死ねる』って言わなかったぜ。

『テメエはそう簡単には死なねえだろ』
『え…俺いま馬鹿にされとるん…?』

他にも、“俺のドコがアカンねん?”だの、“俺は跡部の為やったら何でもやったるで?”だの、“俺は節約上手やで?”だのうるせぇから、こう付け加えた。


『テメエが俺から離れて死ぬ訳ねぇって言ってんだよ』
『Σ(・д・)跡…いや景ちゃん…』
『いちいち言い直すんじゃねぇよ』



その俺の名ゼリフがマズかった。



『それ…告白やろ?どう見ても告白やんなぁ?』
『ああもう…。俺の全て捧げたるわ…』
『チョコより俺のがエエか…?』
『来年は俺にチョコくれるんやろ?』
『なんやったら今すぐ脱いだる…』



うるせぇ。
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