氷帝

□権力ハニー
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文句を言いながらも、跡部は遊園地行く事に承諾してくれた。

何だかんだ言うても、ちゃーんと付き合うてくれんねんな…。
侑士、幸せや。
幸せ過ぎて死にそうや。

「忍足」
「何や、跡部vV
「独り言でけぇんだよ」
「…俺、声に出しとった…?」

おかしいなぁ…。
『忍足侑士・ザ・心の叫び』のつもりやってんけどな…。

「まぁエエやん」
「良くねぇよ」
「またまたぁ…。ホンマは楽しみにしとったんやろ…?」
「………」

あ…何も睨む事ないやろ…。
しかも早足で歩きよった…。
侑士、ブロウクンハート。

「めっさキメて来とるやん…。俺の為にオシャレしてくれたんやろ?」

俺は言った。
早足で歩き出した跡部の背中を眺めながら。
小走りで追う事もせぇへん。
顔…見られたくないんちゃうかなー思たから。

「俺、ごっつ嬉しいわ」
「………」
「ホンマやで?」
「………」
「…何か言えや…」
「………」

せめて隣、歩いてほしいわ…。
早くもロンリーやな…俺。

「跡部のアホ」
「……アン?」

両手をポケットに突っ込んで先を歩いてた跡部が、やっと反応を示した。
先を歩いたままで。
振り向きもせぇへん。

「そこでリアクション起こすん?」
「俺がアホな訳無ぇだろ」
「ほな…せめて俺の隣、歩いて?」
「断る」
「…何でや」

ホンマに何でや。

「デケェ独り言言うヤツの知り合いだって思われるのはゴメンだ」



…侑士、早くも『ラブラブvVディト』の危機。

一緒にソフトクリーム…食えるんやろか…。



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