氷帝
□2010年、2月。
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2人にねだられて、それぞれを家に送ってから帰宅した俺は、すぐに『ある物』を用意させた。
忍足が
やりたがってたから。
用意出来た事を確認して、忍足にメールを送ると、すぐに返事が来た。
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from 忍足
sub. ホンマ?
──────
行く。すぐ行く。
待っとってな
‐‐‐‐‐‐
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「…ホントにスグ来たな…」
「言うたやん、すぐ行くて」
「そんなにやりてぇのかよ」
忍足を連れて、食堂へ行く。
そこには、既にセッティングされている『ある物』と共に、シェフが待っていた。
実物を見た忍足は、目を輝かせてテーブルに近付く。
「これが、あの何とかマウンt「チョコレートファウンテンだ」
「ああ、それや。その名前や。スッキリしたわー…」
「好きなだけ食えよ」
テーブルに用意された食材を指差す。
「ええの?」
「見に来ただけなのか?」
「いや(笑)」
ほな遠慮なく…と言って、食べる忍足を眺めながら、俺はオレンジジュースを飲む。
「なぁ…わざわざ用意してくれたん?」
「…まぁな」
「あかん、めっちゃ嬉しいわ…」
お前がやってみてえって言ってたし…
「バレンタイン近ぇし…」
「ん?何か言うた?」
「いや」
†END†
2010.2.14