ノベル

□Sweetening
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広いフローリングの部屋の大きな窓は、カーテンさえ開ければ都心を自由に眺望できる。
今夜もまた、煌びやかに光る眠れぬ街が地上にあった。

「お願…いっ、……カーテン閉めて…ください、」
窓辺からほんの少し離れた大きなベッドの上で、明かりに照らされた華奢で拘束された裸体が揺れる。
普通の住宅では夜間に点灯したままカーテンを開けていれば中の様子は丸見えだが、
ここは土方歳三という男が住む高層マンションの最上階で、とても肉眼で室内を確認できる環境ではない。
最も今は黒い無地の布で目元を覆われていて視覚は無駄になっている。
しかし情事前の目隠しをされる前もカーテンは堂々と開いており、
この男がわざわざ閉めるなどと言うことは無に等しかった。
「どうせ見えねえよ」
「っあ、ん…ッ……!」
秘部に埋まっている毒々しい桃色の器具を親指で一気に押され、
強く震動するそれがさらに奥へ滑り込む。
脚を大きく開くように黒いベルトで固定されいるのは十分認識しているが、
どうしても本能的に身体を捩ってしまう。
「ふぁ…あ、んっ……嫌、あ…抜いて…っ」
「どうしようか…?」
カチッという音と共に内側を擦る塊が急に動き出した。
コントローラーで操作され、震動に加え激しく蠢きだす。
「あぁっ…あ!だ…め、…ッ」
性急な動きに無意識に腰が浮き、後ろ手に縛った縄がギシギシと軋んだ。
「もう達きそうなのかよ」
頭上から蔑まれ、頬が素早く紅潮する。
それでも必死に頷くと、今まで放置されていた自身に土方の手が伸びた。
「ひゃぁ…、んっ……土方さん…!」
若干幼さの残る性器を大きな掌で包まれ、びくりと背中が跳ね上がる。
「ふぅ…んあ…、あ………」
撫でつけるように指を滑らされ、既に反応していた自身はさらに腫れを増した。
腹の底から徐々に染みてくる刺激と合わさり、まるで全てが溶けてしまいそうな錯覚を覚える。
「あぁ……っ無理…」
充分に刺激され、膨れ上がった自身を不意に土方は指先に力を入れ締め付けた。
一度恍惚を迎えようとした身体は急にせき止められたように戦慄くが、
熱を持った欲望の塊は萎えることを知らない。
曖昧な温かさに総司の目元は湿る。
「いやらしい身体だな」
「っ…ひど、い……」
背中の下敷きになっている両腕の痺れも、下腹部からの絶妙な波動にもみ消されてしまう。
もどかしい刺激に達せない苦しみが混じり、
気でも狂ってしまうでのはないかと恐怖が脳裏にちらついた。
否、自分はもう狂い始めている。
「仕方ねえな」
この土方歳三という男に。
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