稲妻11

□ダメな僕
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あの日、初めて君を抱きしめた時から


もう、ダメになってしまったんだ


君がいないと、僕はダメになってしまったんだ





「吹雪?」


丸い瞳が不思議そうに僕を映している。
それは本当に綺麗で、僕を映すには勿体ない程だった。(だからと言って自分以外を映して欲しくない。自分だけを見てほしい。矛盾してるよね。)
キャプテンの呼び掛けには返事をしないで、先程からずっと彼を抱きしめている腕に更に力を込める。

温かい。

いつか、いつも感じていた、人の温かさを忘れかけていた様な気がする。

あの日を境に

独りぼっちになった日を境に


キャプテンのおかげで忘れずにすんだよ。
この上なく優しくて安心する、この温かさを。


「ふ、ぶきっ」


苦しい、と耳元から小さな声が漏れた。


「ご、ごめんね。キャプテン」


直ぐに解放(と言っても、僕の腕は彼の腰の後ろでがっちり組まれている)すれば、また不思議そうにこちらを見た。


「…何かあったのか?」

「特にないよ」


ただ、君を抱きしめたくて堪らなかったんだ。


僕の言葉に、本当か?と問い、小さく数回瞬きをするキャプテン。すごく、心配そうな表情。
そんな彼が、可愛くて、愛しくて堪らない。
やっぱり、君がいないと僕はダメなんだ。

我慢ならなくなってまた君を強く抱きしめた。




さっきの言葉を訂正します。

初めて抱きしめた時からじゃない。

初めて君の存在を知った時から、僕はなってしまったんだ。

君がいないとダメな僕に。



もう君を手放す事はできません。




end



+++
円堂がいなとダメダメな吹雪くん^^







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