短編小説
□歩の頭の痛い日
1ページ/1ページ
あ〜……、なんだ……、アレですよ。うん…、
こんにちはですか?
中務 歩です…。
――――え?今何してるのかって?
嗚呼……――――
「それは僕が取って置いた最後のスコーンだぞ!?」
「ケチケチしないであたしにも頂戴よ!
歩の作るお菓子は美味しいんだからね☆」
「美味しいからこそ、僕は大事に取って置いたんじゃないか!?」
『ギャーギャー!』
――――とまぁ、朝からこんな感じでして…;
「嗚呼、貴女たちいい加減喧嘩やら言い合いやらを止めてくれないか?
頭痛くなりそうですよ…いや、ホントに…;」
優しく仲裁した所で従う様な子達な訳もなく…
「くっ…!#
食べ物の恨みは恐いぞ、ネルちゃん…!#」
「そんなに言うのなら名前でも書いて置いたらどうだ、テト…!#」
あれよあれよと云う間に臨戦態勢な2人…;
嗚呼…、頭痛いなぁ…;
「もう勝手にして下さい;」
私は今日は体調が良くないらしい…。
部屋で休みますよ…。
―――――――――――
―――――――――
――――――
―――
―
「……、はぁ…。」
一眠りしたら体調が良くなったみたいですね。
「あの2人はどうしたのか見に行ってみますか…。」
私の部屋は3階の端な為1階(した)の音は滅多に届きませんからね。
1階の居間を覗いてみると――――――
「あはは☆ネルちゃんも歩の淹れた紅茶の美味しさに吃驚したのか☆」
「そうなんだよ♪
てっきり紅茶の専門家だと思ってたんだ☆」
―――あれ?
仲良くアフタヌーンティータイム(午後の紅茶)ですね;
朝からの口論が私の頭痛故の妄想かと思うくらい平和です…。
「あ、歩!体調は良くなったのか?♪」
「お!じゃあ歩もこっちで一緒にお茶でも飲め♪」
……嗚呼……、
アレですね…、
『喧嘩する程仲が良い』
「ではお茶請けでも拵えて来ますね。」
「お♪良いね♪
僕はラスクな☆」
「あたしはクッキー♪」
「了解☆
直ぐ作って来ますね☆」
―――しかし…、
一体どうやって仲直りをしたんですかねぇ…。
(――『歩の頭の痛い日』了――
2009.10.31.sat.09:11)
(―↓おまけ―)
―――――――――――
―2人の仲直りの理由―
「謝るなら今の内だぞ?!」
「はあ?誰が謝るか!」
『………!』
はたと我に返る2人。
「……あれ?スコーンって確か歩が作り置きしたのまだ残ってた様な…;」
「あたし……、何で此処に居るんだっけ…?;」
・・・・・・・・・・。
『ぷっ、あはははは☆』
先程迄の張り詰めた空気は何処へやら。
2人は和気藹々、お茶の時間を楽しむ事にしたのです。
皆仲良しなのが一番だと私は思う。
―終わり―
(2009.10.31.sat.09:30)