Vicarious of Executioner
□依頼・0『ロフトと光一』
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―ロフト視点・神界―
「……あのジジイ…!」
「Σロフトっ!;
我の心臓を止める気では無かろうな!?;」
「お前も五月蠅い奴だな、トール神。」
ジジイをジジイと呼んで何が悪いんだ。
アイツがオレを人間界に堕とす何て言わなければ悪態なんぞつかんわ!
「オーディーン様は我が父だと云うのを忘れて居る等とはよもや言うまいな……;」
「あ〜…、其の五月蠅い所ソックリ過ぎてムカつくわ……。」
「Σロフトォォッ!!;」
ったく、五月蠅い奴…;
とっとと人間界に降りてやるか…。
「あ〜…、はいはいはい、こんな悪態ばっかしつく『白き力の者』失格者は下界に降りますよ。」
下界と神界とを繋ぐ門迄足早に歩く。
後ろでトールがやいやい言ってるが無視してやる。
―ロフト視点終了―
―――――――――――
―ヴァルハラ宮殿玉座―
「ロフトの奴…、相当頭に来た様だな…;」
玉座で頭を抱えてるのは最高神と呼ばれし神…、オーディーンである。
伝え方を誤ったのか、先刻ロフトに人間界へ降り悪を裁いて来いと言った直後、ロフトは怒りだしたのである。
「儂はどう伝えたのだったかな…;」
「あら?お忘れですか?」
一人悩んでいるオーディーンの下に助け船を出す者がやって来た。
「…ウルド…。」
「貴方様はロフトに……、
『人間界に降りろ。
此は命令だ。反論などは許さぬぞ。』
…と仰ったのですよ?」
ウルドと呼ばれた女神は淡々と語る。
「……、おや…?
そう云ったかね?儂は。」
「はい。」
そんな風に云えば大抵の者は怒るであろう。
「…云ってしまったものは仕様がない。
下界に居るアヤツにでも頼んで宥めて貰うか。」
自分の非を棚に上げて尚人任せな最高神…。
「『光一』ですか…?
彼なら或(あるい)は…、なんとかしてくれるやも知れませんね…。
では早速…、スクルドに向かわせます。」
……ウルドもまた人任せな女神であった…。
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