白石蔵ノ介小説企画『毒と薬。』

□無駄is not so good.
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俺は無駄が嫌いや。
それはもう、とてつもなく。

せやけど、世の中には無駄なモンが多すぎる。

そんな無駄なモンをなくすために俺は今日も部室で皆を待つ。



まず、謙也。


「うぅ〜…急に寒なってきたわぁ。上に羽織るもん、あったかな?あ、蔵。どないしたん?」
「無駄やな。上に羽織るぐらいやったら…」
「え、え、え?」
「長袖に着替えればええやろぉぉぉ!」
「別にええやんかぁ!アホー!!」


とりあえず無駄なモンを剥ぎ取って追いだした。
上半身裸になった謙也はちょっと可哀想やったけど。
でもまぁ、これで無駄をなくすようになるやろ。




次に、財前。



「あ、部長や。また無駄探しっすか?」
「せや。あ…ピアス、無駄やな」
「無駄やないですわ。これ、ファッションやもん。いつも言うてるやん」
「ファッションは大事なことや。せやけどここは学校。そんで今から何すると思ってるん?」
「は?部活ですけど」
「部活にそのピアス、いるんかなぁ?それ、無駄やろ?」
「…あってもなくても一緒やからええやん」
「一緒ならなくてもええやんな?っていうか、必要あらへんやろ?」
「ま、そうっすけど……はいはい。わかりました。外しますわぁ」
「はい、は?」
「…一回」
「んんー、絶頂」




財前はこの頃聞き分けがようなった。

俺が強硬手段に出る前に反応してくれるようになって楽や。
昔、ピアスを引っ張ったことがあんねんけど…それが効いたのかもしれんな。
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