四天宝寺(短編)

□さんのにデイズ。
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俺が「好きや」って言うたら――お前はなんて言うんやろ?

「アホ抜かせ」って怒るんやろか。
「おもんないで」って笑うんやろか。

それとも、それとも。

「おおきに、俺もやで」って――照れてくれるんやろか。

俺がお前を好きになったことなんてきっとお前は知らんのやろな。
それはしゃーない。
俺かてつい最近自覚したぐらいやわ。
最初は何でやって思った。
何で俺がお前なんかって。

いつもアホみたいな笑顔を見せて、アホみたいに全てに全力で。
せやから好きになった。
何でも頑張るお前がカッコイイと思った。
俺にないものを持っていて、それがとてもキラキラしてるな、なんて。
自分でも驚くぐらいお前のこと思ってた。
気付いたらお前のことばかり考えてたんや。

何でやろな?

今の俺、お前のことしか考えられへんのや。
馬鹿みたいやって思うねん。
思うだけ思うなんて無意味やろって思うねん。

俺はきっと、多分、絶対、言えへん。
気持ちを告げることなんて出来へん。

わかってる、わかってる、せやけど。

思ってしまうんや、アカンのに。
思い続けてしまうんや、意味もなく。
「好き」って言葉にすればなんや簡単なモノやと思うねん。

せやから俺、思うんや。

「好き」って言葉に意味なんてないのやと。
そこに何の色も感情もないのやと。
俺はお前が好きやけど、好きやないねん。
もっともっと想ってんねん。
好き以上の好き。
せやからきっとこれは恋やと思う。
「好き=恋」とちゃうよ。
好意のない恋だって出来るやん?
俺はお前を好きになったで。
そして恋したんや。

意味分からんってお前なら言うやろな。
俺はいちいち理屈っぽいとか言うてたっけ?
しゃーないやん、新聞部やもん。
ちょっと詩的になっても許したってや。
恋したから告白は出来ひん。怖い怖い怖い。

好きやでって一言告げるだけで何かが生まれて、何かが失われる気ぃするんやわ。

考えすぎなんかな?

けど、俺にはそれを乗り越える勇気があらへん。
所詮、臆病者や。
けどな、それだけ本気やねん、アカン?

告げられへんこの気持ち、俺はずっとずっと大切に持ち続けるわ。
これは恋やと自覚したって――俺は大丈夫、きっと。
今まで通りの関係でいられる自信あるんや。
俺とお前は親友、せやろ?

大好きやから、恋してるから、これからも一緒にいれたらええなって。
もうどんな関係やって構わへん。
俺はお前の隣にいたい。

今日も笑いかけてくれる。
最高の笑顔見せてくれる。

なぁ、見る度に話す度に好きになるんや。


――恋が、愛に、変わりそう。


愛してもええ?
絶対一生言わへんから。

俺の中での気持ち、どんどん膨らむわ。


ああ、もう。


ほんまにほんまに。




日々、恋してる。
























今日も愛してるで――なぁ、謙也?
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