白石蔵ノ介小説企画『毒と薬。』
□瞬間、君に、Ecstasy。
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「噂されてたん、知らんかった?」
「知らんわ。あんまり興味なかってん」
「その割に俺が蔵のこと好きになりそうって思ってたんか?」
「謙也は特別やから」
「それは今、やろ?その時は蔵も」
「その時から、や。ずっと」
「え…?」
「ずっと謙也のこと好きやった。謙也は気付いてへんかったけど」
「うぅ…」
「せやけど、きっと謙也もずっと俺のこと好きやったで?」
「…まぁ、否定はせぇへん」
「ずっと両思いやったのにな」
「なぁ」
「今更伝わるなんて」
「俺ららしいっちゅー話や」
――なぁ、謙也、謙也。
出会った時からずっと、君に――
君に――Ecstasy。