白石蔵ノ介小説企画『毒と薬。』
□白石蔵ノ介的視点。
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「手紙、おおきに。気持ち…ようわかったわ」
ざっと目を通したぐらいで気持ちを全て理解できるはずがない。
けれど、俺には全てわかっていた。
目を向けると、目があった。
照れるように背けようとするその目を捕えて、一言。
「俺も好きやで?出来る限りの力でお前のこと守ったるから」
ぱぁっと顔を輝かせて抱きついてきたのを受けとめる。
ぎゅっと抱きしめた後、頭を撫でた。
「せやから…ずっと一緒にいよな?」
今年の冬を越えて、まだまだずっと先。
いくつもの季節を君と越えられたらいいと思う。
君の気持ちがわかったのは、俺もずっと好きだったから。
ずっとずっと大好きだったから。
「大切やから……大切にする、それだけやで」
手紙も言葉もいらない。
ただずっと君が此処におってくれたら、それで――