あなたと
□08.優雅なお茶会?
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いい香りの紅茶とお菓子。
その匂いが充満するこの部屋で、
真剣な顔の二人。
優雅なお茶会?
真夜中のホグワーツ。
そこに向かうは、一人の女子生徒。
闇と同化する、黒く輝く髪を棚引かせて。
月夜に照らされて、キラキラと輝くその姿は、まるで天女の様だった。
「フレア…?」
寮の部屋から外を覗くは、全てのパーツにおいて完璧で貴族のシリウス。
そんな彼の心は、一人の少女によって心をかき乱されていた。
そして今、その少女に似た女子生徒が、外を走っている。
でも、規則上今の時間帯は外出禁止のはずだ。
あれからというもの、フレアは来なかった。
そこまで風邪は酷いのだろうか。
そんなことを悶々と考えていると、同室のジェームズから寒いとの苦情が聞こえた。
渋々、窓を閉めようした。
が、その前にもう一度外を見る。
「…あ」
さっきの女子生徒が、マクゴナガル先生に捕まっている。
ネクタイの色からして、グリフィンドール…?
あぁ、減点か。
アイツも可哀想だな。
びゅうびゅうと吹き付ける風を抑え、シリウスは窓を閉めた。
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