士官学校編
□1.夜
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光を内に秘めた、上品な金色の髪。
白い肌はうっすらと桜色に火照り、背中の火傷の痕は妖しく色付く。
「大…佐…っあ…。ああっ」
狭い部屋に、堪えきれずにもれる声。
甘く…悲鳴にも似た…。
「…もう降参か?中尉。」
低い声は少し息が乱れて、いつもより更に艶が増している。
リザは短く首を横に振った。
「…っ」
リザは自分の手の甲を噛んで悲鳴を押し殺す。
…そのリザの仕草。
ロイの嗜虐心を刺激する。
「…まだ余裕があるようだな。」
口角を上げて笑うロイ。
ロイの額にも汗が滴っている。
ロイはベッドの脇に散乱した衣服の中から、自分のネクタイを拾い上げる。
そしてリザの両手首をキツく縛り上げた。
リザは抵抗もせずに、ただその痛みに顔をしかめる。
両腕を束縛されることで、声も、表情も、そのロイを求めてやまない躯も、全てが露わにされる。
リザはそのどうしようもない羞恥と、痛みというはっきりとした刺激が、躯中の神経を快楽へと導く。
「…っ!あ…んっ」
手の甲から解放されたリザの唇の隙間からは声が漏れる。
朦朧とした意識の中、リザはロイの黒い瞳に妖しく揺れる紅い焔を見た。
―…また痕が残ってしまう…。
縛り上げられた手首。
普段露出しやすいその場所は、いつも隠すのに苦労をする。
…それとも、それをわかっていてやっているのか。