士官学校編
□4.立ち止まる
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空が青い…。
こんなに良い天気で気持ちが良い日に、私はどうしてこんなところでボンヤリしているんだろう?
学校内の中庭にあるベンチに座って、リザは何をするともなく、そこに居た。
普段、通常の訓練と狙撃クラスの訓練を並行して受けているリザは、毎日が忙しくて息つく暇もない。
こうして何も無い自由な時間をとれるのは、本当に久しぶりのことだった。
当然、足を怪我しているわけだから、自ずとできることは限られているのだが、
久しぶりすぎて何をしていいのかわからない。
…リザはこんな時間など必要ないと考えていた。
と言うよりも、時間に追われていた方が、かえって安心できる気がした。
…余計な事を考えてしまう。
自分が選んだ道を歩く今。
あの時に決心した通り、強く、誰にも甘えずに生きるよう、絶えず努力しているつもりだった。
だけど…
何かが間違っている気がする。
私はどうすればよかったんだろう?
どうして、レベッカにあんな顔をさせてしまうことになってしまったんだろう?
リザは、まだ痛む左足を見つめる。
…だいたい、あんな所で負傷したのがそもそもの原因だった。
…レベッカは優しいから、私を気遣ってくれて…
でもそのせいで、彼女まで巻き添えにしてしまったのだ。
リザはため息をつく。
日差しが暖かく柔らかい程、風が気持ち良い程に、リザの心は苛立った。