士官学校編

□5.侮辱
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ディオは士官学校長から直々に女生徒の扱い方について注意を受けたばかりだった。


…何が男女平等だ。

苦々しい思いで、ディオは廊下の隅に唾を吐き捨てる。

その上、二日酔いで胃がムカムカしていた。

何日か前に、気に入っている上着を燃やされたこともまだ引きずっていて、ディオの機嫌は最悪だった。

…絶対に何者かの仕業に違いない。

一体誰が……。ああ胸くそ悪い。


大体女など、何故士官学校に入学させる必要があるんだろうか。

単なる世間体だ。

アイツ等に何ができる。

せいぜい男を惑わせて悪戯に死傷者を増やすだけだ。

ディオはぶつぶつ言いながら廊下を歩いている。

そして前方にいた影を見つけて殆ど反射的に怒鳴りつけた。

「ホークアイ!!」

昨日の訓練で負傷したリザは、左足を引きずって歩いていた。

リザを見たとたんに一気にディオの頭に血が上る。

リザの冷めた目が、ディオの神経を更に逆撫でした。

「なんでしょうか?」

「怪我をしてるというのにフラフラと出歩いているのか。」

ディオはリザに必要以上に近づく。

リザは一歩後さずった。

「それともその怪我は嘘か?」

リザは特に表情を変えず、感じているだろう嫌悪感も面には出さない。

「嘘ではありません。」

平然と語尾を濁さずに言うリザ。

ディオは、薄笑いを浮かべる。

…綺麗な顔だ。

そんな顔で、…男社会で生きて行くというのがどういう事なのか教えてやりたくなる。
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