士官学校編
□10.スティングレイの過去2
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『アイツをここに連れて帰ってきます。』
吐き気との戦い。
己を切り離して殺してしまいたいくらいに嫌悪する。
無情にも隊長は、スティングレイのその言葉にすら苦い顔を見せた。
「遺体回収時を待ち伏せて狙われる場合もある。」
「なんでアンタはそんなに冷静でいられるんだ!?」
スティングレイはカッとなり、隊長に向かって怒鳴る。
「今まで散々一緒に闘ってきた仲間だろう!?…それを…。」
隊長の胸倉を掴み、今にも殴りかかりそうなスティングレイ。
隊長はされるがままになっている。
「お前の様に喚いて奴の命が取り戻せるならいくらでも喚き倒すさ。」
「アイツをあんな所に転がしてはおけない。」
「どうせ連れて帰ることはできないんだぞ。」
…体だけですら、もう家には帰れない。
だが…せめて…
「ちゃんと手を合わせてやりたい。せめてここにいる仲間達で送ってやりたい。」