修業編

□6.昔
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「……マスタングさん、マスタングさん?」


「…………。………!?」

目を開けたロイの目の前には、リザ……?


髪の毛が短くて、まだあどけない、頬が幾分かふっくらしていて、唇はぷっくりとピンク色をしている。

鳶色のキレイな瞳はそのままだ。


「…あれ?」

気づけばロイはソファーの上で寝ていた。

師匠の家のリビングだ。


「………。」

「寝ぼけてるんですか?」

リザが不思議そうにロイの顔を見た。



「……夢を見てた。」


そう、夢……ー?


「君が……大人になっていたよ。…髪の毛を伸ばして…すごく綺麗だった。」


「一体どんな夢を見たんですか?」

リザは顔を赤らめながら言った。

とても素直な表情。

夢の中で君は、頑なな表情をしていて、とてもつらそうだった。

大人になった君は怖いくらいに綺麗だった。

そして、あの香り……君の柔らかい髪の、優しい香り…。




「どんな夢だったか…、よく思い出せないな。……君と私は恋人同士だったのかな?…でもそれしにては……、」


「もう!いい加減にして下さい!…そろそろ自分の部屋で寝た方がいいんじゃないかと思って起こしたのに。」
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