修業編

□7.初恋
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リザは16歳の、あどけない少女だった。
母親を早くに亡くし、父親と二人きりで生活してきたリザにはほとんど暖かい思い出はない。

家事はリザの仕事で、同年代の友達と遊ぶ時間などなかった。

それでもリザはまだあどけない、普通の女の子だった。




「リザはもっと人を頼っていいと思うよ。」

夕食の買い出しに付き合ったロイは、帰り道に重い荷物を抱えながら言った。

隣には、全部荷物を持つと言ったロイから、どうしても何か荷物を持ちたいと言って小さい袋をやっと渡してもらい、それを申し訳なさそうに提げているリザがいた。


「…そうですか?でも…、悪いと思って。」


「全然悪いだなんて思っていないよ。君は全部自分でやろうと思って無理をしすぎだ。」



買い出しについて行くと言い出したのはロイだった。

毎回毎回、リザが女の子が持つ量じゃない荷物を抱えて買い物から帰ってくるのを見かねてのことだ。


でも、無理はない。
今までリザに手を貸そうなんて人間はいなかったのだ。




彼女の父親であるロイの師匠は、全くと言っていいほど彼女に関与しなかった。
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