修業編

□10.ロバート・ギラン
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あったかい…。

リザはロイに教えてもらった丘に一人で来ていた。

とてもいい天気で、日差しが強いくらいだ。

空には雲一つなかった。

風があるが、かえって心地よい。


なぜ、家の近くにこんなにいい処があったのに今まで気づかなかったんだろう。

リザはこの前のように草に直接ペタンと座っている。

ロイのことを思い出すと、心が温まった。




まだ背中が痛む。

刺青を彫る痛みには、回数を重ねても慣れることはない。

父は長い時間をかけて少しずつリザの背中に父の罪の証を彫り続けていた。


父の傍らに横になり、ただその苦痛が終わるのを待つ時間。

父は何も話さない。

リザも、痛みのあまりに声を出してしまう時以外は口をつぐんでいた。

それでいて、リザの背中からは直接父の思いが伝わってきた。

きっとリザの思いも父に伝わっていることだろうと思う。

その濃密な時間に、終わったあとは抜け殻のようになってしまう。



父の秘伝、火蜥蜴の錬成陣。

それは父の研究結果の全てであり、人生の全てだ。
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